円を描くあらぎ島の棚田

和歌山県有田郡有田町の清水地区。そこには「あらぎ島(蘭島)」と呼ばれる、とてもめずらしいΩ状に円を描く棚田が広っている。
有田川に囲まれた円形の土地に広がる大小54枚の水田。農林水産省の「棚田百選」に和歌山県からはここが唯一の選出となっている。

映画「おもひでぽろぽろ」のなかに

-都会の人は
森や林や水の流れなんか見で
すぐ自然だ自然だって
ありがたがるでしょう
でも ま 山奥はともかぐ
田舎の景色ってやつは
みんな人間がつくったもんなんですよ

というセリフがあったが、ほんとにここの風景は人の作り出した造形美。

そして、その「あらぎ島」を取り囲むのが有田川(ありだがわ)。ひじょうに美しく透き通り、深いところでは驚くほど濃い碧色を見せてくれる。

近隣の風景 広川町 西広海岸の夕景

美しく透明な海 京丹後 城島

京都府最北端のまち、京丹後市丹後町。
山陰海岸ジオパークの東端にもあたるまち。その中の間人(たいざ)には、城島(城嶋)という周囲4キロメートルほどの小島がある(読みは“しろしま”)。その周辺、とても水が透き通り、美しい風景が広がっている。ちなみに間人は、“間人ガニ”で有名なあの間人。

付近、とにかく水が美しいのなんの・・・

城島は、その名の通りかつて城のあった周囲4キロほどの島で、釣りが好きな人にはよく知られている釣りスポット。西岸は、波食台が広がっている。島といっても丹後半島側から目と鼻の先で、短い橋で渡ることができる。クルマでないとなかなかアクセスが難しい場所だが、城島(城嶋)散策に利用できる駐車場もあるのでクルマであればゆっくりとできる。
堤防に座っていつまでも海を眺めていたくなる・・・そんな美しさだ。

真冬の春風景 守山に咲く菜の花

完全に春・・・3月下旬くらいの景色かと見紛うこの風景、じつはこれ、真冬の写真。
場所は琵琶湖大橋から少しだけ北へ進み、ピエリ守山を過ぎたあたりにある滋賀県守山市の守山第一なぎさ公園で、咲いているのはカンザキハナナという早咲きの菜の花。毎年だいたい12月下旬や1月から2月の下旬にこんな風景が楽しめる。一面菜の花が咲いているのにじつは冬なので、背景に広がるのは雪山というなんとも見事な景色。
そして、菜の花畑の向こうは琵琶湖というロケーション。
寒い日でもこんな景色が目の前に広がると、なんとなく春が来たような気分になり、心が躍る。

倉敷珈琲館でマンデリン

ちょっと前に、青春18きっぷを使って尾道へ行った(青春18きっぷで尾道へ 真夏の尾道散歩編)。でも、まだ18きっぷは残っている。どうしようかなと考え、そのときは素通りした倉敷をめざしてふたたび山陽本線に乗り込んだ。美観地区にある焙煎珈琲専門店の倉敷珈琲館でコーヒーを飲むために・・・。
お盆の真ん中を過ぎたとは言え、本数も少ないし、めちゃくちゃ混雑するし、やっぱりまだまだ姫路や相生から西はなかなかの難関。だからといって、前回と同じことをするのもおもしろくないので(青春18きっぷで尾道へ 和気駅乗換編)、今回は赤穂線を経由。赤穂線を走った後、岡山からいったん山陽本線に出て倉敷を経てから伯備線に入るという経路を辿る列車に乗った。京都から、前回の尾道よりも目的地が手前なので、気分的にはだいぶんラク。

コーヒーが目当てとは言え、倉敷でじゅうぶん滞在時間があるので、まずはぶらりと美観地区を散歩。モネの「睡蓮」を所蔵する大原美術館にも立ち寄り、美しく咲く実際の睡蓮も楽しむ。ちなみにこの工芸館横に咲く睡蓮、クロード・モネの自宅庭園から株分けされたものだとか。

そして目当ての倉敷珈琲館へ。
濃厚な珈琲にリキュールとハチミツを加え、生クリームをたっぷりと落した「琥珀の女王」というメニューの大ファンなのだけど、夏季は残念ながらこのメニューは注文できない。その代わり、マンデリンを使ったアイスコーヒーがとてもおいしい。江戸時代の建物を改築した店内で、ゆっくり、ゆったりした時間の流れを楽しんだ。

青春18きっぷで尾道へ  真夏の尾道散歩編

尾道は、駅を出たらすぐ目の前が海。信号を渡ると向島行の渡船のりばがあり、いきなり旅気分が高まる。真夏の炎天下なのも気にせず、散歩を始める。
坂の町なので、坂をあがるたびに景色が広がってくる。千光寺山周辺は、入り組んで迷路のよう。なんとも不思議な雰囲気のお店がいくつもあり、そんな佇まいとあわさってちょっと異世界気分。
猫の細道で猫の置物に気を取られていたところ、ふくろうがいたのには驚いた。
ゴールはやまねこカフェで「はっさくビア」。
尾道プリンは売り切れてしまっていたので次回のお楽しみ。
18きっぷで京都から片道5時間かつ日帰りのハードな旅。それでも尾道にはゆっくりと4時間ほど滞在できた。

青春18きっぷで尾道へ  和気駅乗換編

お盆真っ只中に18きっぷで旅に出た。出発点は京都、目的地は尾道。
京都から西へ向かうとき、姫路や相生までは問題ない。12両編成の新快速が快調に走ってくれる。問題はそこから。
本数が少なく、編成も短い岡山方面へ向かう列車は、さながらラッシュアワーの御堂筋線。相生から岡山まで約1時間半、身動きもできない大混雑は正直キツイ。
でも、ふと時刻表を見て気づいた。相生から岡山へ向かう列車の30分ほど後ろに、和気(わけ)駅始発の列車がある。しかもその列車、行先は三原だから、尾道まで行くのに岡山駅で乗り換える必要がない。
それで、相生から5駅だけ我慢して満員電車に乗り、和気で降りてみる。
するとそこには、ほとんど誰も乗っていない三原行き。和気からはゆっくりのんびりのローカル旅情を手に入れた。ネットで時刻を調べていたら、こんな非合理的なルートは絶対出てこない。18きっぷ旅にはやはり冊子の時刻表が必要だ。
尾道に着く手前で、車窓からは海が見える。だから、進行方向左側の席を選ぶことは忘れなかった。

伊勢志摩・千鳥ヶ浜から見る富士山

水平線の向こうにぼんやり浮かぶ山影、じつはこれ、三重県・伊勢志摩から眺めた富士山。

鳥羽市相差(おうさつ)・千鳥ヶ浜から見える富士山、距離にして200km以上・・・。
夏には海水浴客でとてもにぎわう千鳥ヶ浜だけど、冬の空気が澄んだ早朝にはこんな風景に出会えることがある。早朝といっても、冬至が過ぎてすぐくらいの季節なので、そんなに早起きして見たわけでもなく、7時台。水平線から昇っている朝陽まで見られる。
冬にこのあたりを訪れたなら、ほんのちょっとだけ早起きして、水平線のほうを眺めてみることをお勧めしたい。一見の価値ありの風景だ。

京の夜空に十六夜スーパームーン

2015年、中秋の名月の翌夜はスーパームーンだった。東の方角が見渡せるよう、京都の西の高台から月の出を待った。
京都の月の出は17:57だったけど(国立天文台による)、山の高さを昇る分があるのでスーパームーンが姿を見せ始めたのは18時過ぎ。
十六夜のスーパームーンが京都の夜空を照らした。

雨晴海岸の絶景 女岩と雪の立山連峰

開業間もない北陸新幹線に乗って旅に出よう。
そう思い立ち、選んだ目的地は能登半島・雨晴海岸

ずっとずっと、一度訪れたいと思っていた。立山連峰が雪景色の季節に、そして晴れている日に。北陸新幹線の開業が、その念願を叶えるきっかけになった。

義経岩のあたりから、海越しに眺める女岩と雪の立山連峰。ここは絶景中の絶景。
日本海側のこと、まだまだぐずつく可能性も高い3月の終わりに、奇跡のように、雲一つない青空が迎えてくれた。

サムネイルだと途中から同じような写真ばかり並んでいるように見えるけれど、これは鳥があらわれて、その姿を追ったから。拡大すると写っている。雪の立山連峰を背景に佇む鳥の姿は、とても優雅だ。

そして、これらの写真を撮った場所は義経岩付近。
義経岩は源義経が奥州へ落ち延びる途中、にわか雨が晴れるのを待ったと言われている岩で、それがこの雨晴(あまはらし)という地名の由来にもなっている。

この海岸のすぐ横は氷見線が通っているのだが、雪山を背景に列車がここを通過する瞬間もまた絶景。氷見線の終点・富山県氷見市は藤子不二雄A先生のふるさと。時には忍者ハットリくんのラッピング列車が来ることもある。

彼岸花咲く亀岡の田園

京都府亀岡市の亀岡駅近くから大堰川を渡り、南丹八木方面へと続く府道25号線はとても気持ちのいい田園風景が広がっているが、9月には彼岸花(曼珠沙華)が田園に彩りを添えている。

じっと見ているとアゲハチョウが・・・。
童謡「ちょうちょう」の歌詞のように桜ではないけれど、彼岸花を花から花へ・・・。
アゲハ蝶は赤い色がよく見えるなんて話も聞いたことがある。

彼岸花とアゲハチョウ、実った稲穂に彼岸花、そして秋桜と彼岸花。秋の亀岡は田園風景が美しい。