あさひ舟川 春の四重奏

残雪の雪山を背景に、舟川べりの桜並木とチューリップ、そして菜の花が四重奏を織りなすことで知られる富山県朝日町の「春の四重奏」。
観光PRのポスターなどで知り、一度この目で見てみたいと思いつつも、なにぶんごく限られた時期だけの風景のためなかなか機会がなかったのだが、2023年、3月末に休みが取れた。しかも、この四重奏が見られる朝日町は富山県の中でも新潟県の県境に近い最東部なので、平年並みならば3月末に桜はまだ咲いていないのだが、2023年は全国各地で記録的早さで桜が開花している。
休みと桜の早期開花。せっかく条件が重なったので、いよいよ赴いてみることにした。

が・・・やはり自然が相手なので、その四者がピッタリ揃う風景を見るというのはなかなか難しいもの。確かに桜は咲いており、背景にそびえる朝日岳や白馬岳の雪山は雄大だったものの、チューリップと菜の花がまだ早かった。わずかにチューリップが咲いている場所で三重奏までは奏でてくれていたのだが、カルテットを目にすることはできなかった。

それでも、見事だ。
田植え時期でもないのに、リフレクションが楽しめるようにと農家さんが張ってくださっていた水に雪山と桜が映える。そして夕暮れ時、白い雪をスクリーンに夕陽が山を夕焼け色に染め始めた。